太陽光発電コラムPV column

エネルギー

2024/01/21

九州地域の出力制御の推移について

太陽光発電所の導入量の増大スピードに対して、系統や調整電力との規模が追い付かないため、年々太陽光発電所を含む再生可能エネルギーの出力制御の適用エリアの拡大と制御量が増大してきております。
電力広域的運営推進機関(OCCTO)では、再生可能エネルギー発電設備の出力抑制の検証結果について公表しておりますので、各地の状況についてご興味のある方は同サイトにてご覧ください。

参照先: 再生可能エネルギー発電設備の出力抑制に関する検証結果|電力広域的運営推進機関ホームページ (occto.or.jp)

今回のコラムでは、2023年の春先から夏場にかけて話題になりました九州地域の出力制御について、九州本土地域の推移をまとめてみました。

グラフ1. 鹿児島県低圧発電所の出力制御の例 (2023年4月23日)

参照元: 弊社提携先低圧発電所の遠隔監視データからの抜粋

A. 九州本土の再エネ発電所への出力制御実施回数:

2023年度上半期(4月1日~9月30日): 60回 2022年度: 80回1発電所あたり14~15回(代理制御考慮後)。低圧~特別高圧。 2021年度: 82回1発電所あたり27~28回(オフライン)、22~25回(オンライン)。高圧~特別高圧。35回(無制限無保証)低圧~特別高圧。 2020年度: 60回1発電所あたり21~22回(オフライン)、6~7回(オンライン)。高圧~特別高圧。6~7回(指定ルール)低圧~特別高圧。 2019年度: 74回1発電所あたり23~24回(オフライン)高圧~特別高圧。15~16回(オンライン)。特別高圧。15~16回(指定ルール)低圧~特別高圧。 2018年度(10月13日~3月31日): 26回1発電所あたり5~6回(旧ルール)高圧~特別高圧。5~6回(指定ルール)低圧~特別高圧。

B. 九州本土の再エネ発電所への再生可能エネルギー出力制御量:

2023年度上半期(4月1日~9月30日): 25,022万kW。1回あたり417万kW。 2022年度: 12,330万kW。1回あたり154万kW。2021年度: 11,980万kW。1回あたり146万kW。 2020年度: 6,985万kW。1回あたり116万kW。 2019年度: 8,323万kW。1回あたり112万kW。 2018年度(10月13日~3月31日): 2,698万kW。1回あたり104万kW。

九州本土では2018年10月13日(土)に初めて再エネ出力制御を実施され、2018年度(2018年10月13日~2019年3月31日まで)は実施回数26回、出力制御量は2,698万kW、1回あたりの出力制御量の平均は104万kW(1.04GW)でした。今年度の上半期(2023年4月1日~2023年9月30日)は、実施回数は60回、出力制御量は25,022万kW、1回あたりの出力制御量の平均は417万kW(4.17GW)、となっております。

グラフ2. 太陽光発電100kWシステムの福岡市の各季節・時間毎の発電量推移:

発電量: 弊社シミュレーションにて福岡市の発電量を試算。

C. オンライン制御とオフライン制御の違い:

オンライン代理制御の精算比率に関する九州電力送配電社が発表内容と、九州本土(各県の県庁所在地)の該当月の発電量(太陽光発電所サイズ100kW)について一覧表を作成しました。

引用元: 九州電力送配電株式会社 オンライン代理制御の積算比率について のデータを取りまとめ。 発電量: 弊社シミュレーションにて各地の発電量を試算。

該当期間(11ヶ月)の太陽光発電量に対して、約16%の機会損失が発生しております。

例: 宮崎県にある300kW、FIT価格36円/kWhの太陽光発電所の場合、上記該当期間(11ヶ月)の機会損失発電量は▲58,374kWh、税抜きで約210万円の機会損失、となります。

優先給電ルールに基づく抑制、調整は7種類あります。

  1. 火力発電所(電源I・II火力)の出力抑制
  2. 揚水発電機の揚水運転(8台、揚水動力合計▲253.2万kW)
  3. 電力貯蔵装置への充電(1か所、充電最大電力▲5万kW)
  4. バイオマス混焼電源含む火力発電所(電源III火力)の出力抑制
  5. 長周期広域周波数調整
  6. バイオマス専焼電源の出力抑制
  7. 地域資源バイオマスの出力抑制

参照先: 再生可能エネルギー発電設備(自然変動電源)の出力抑制の検証における基本的な考え方 電力広域的運営推進機関OCCTO 2023年11月29日 より

前述の通り、多くの抑制・調整手段を活用しても、全量買取型の太陽光発電所の導入が急増したばかりか、最近は自家消費型の太陽光発電設備の導入も増えているため、出力抑制量の回数と規模の増大は不可避な状況となっておりました。

しかしながら昨今蓄電システムの大型化とコストダウンによって、海外同様に日本国内向けにも系統向けの蓄電システムの導入が期待されております。そして再生可能エネルギーの導入促進のためには、系統に負担をかける事なく再生可能エネルギーを活用するモデルの開発も同様に重要ではないかと考察しております。

太陽光に関するご相談、資料請求、
お見積依頼はこちらまで