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ソーラー

2022/05/21

小規模太陽光発電市場の成長による、EVモビリティの拡大

2022年4月29日にドイツEUPD Researchによって発表された「小規模太陽光発電市場の成長による、EVモビリティの拡大」(原題: GROWING SMALL-SCALE PHOTOVOLTAIC MARKET STRENGTHENS ELECTRIC MOBILITY EXPANSION) が、2023年以降の日本の小規模太陽光と電気自動車の市況を予測する上で多いに参考になるのではないかと考えております。
再生可能エネルギーや電気自動車市場で世界をリードするドイツ市場の事例として、EUPD researchの本レポートを皆さまにご紹介します。

出典元: https://www.eupd-research.com/en/growing-small-scale-photovoltaic-market-strengthens-electric-mobility-expansion/
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掲載日: 2022年4月29日

小規模太陽光発電システムと電気自動車の市場が急成長しています。EUPD Researchによる最近の分析で、太陽光発電システムの設置が電気自動車の購入を促進することが明らかになっています。家庭が太陽光発電システムに取り組めば取り組むほど、電気自動車のための独自の充電ステーションへの投資がより重要になってきます。これは、今年のエネルギー供給会社を対象とした「エネルギーヴェンデ賞」での分析結果になります。この賞は、2022年5月12日に開催されるイノベーションプラットフォームである「The smarter E Europe」において、DACH地域 (ドイツ: D、オーストリア: A、スイス: CHのドイツ語圏) の最も革新的なエネルギー供給会社に贈られます。

ドイツ・ボン発) エネルギー価格の高騰、環境意識の高まりに加え、熱やモビリティの電化の進展が太陽光発電設備の導入を後押ししています。ボンに拠点を置くコンサルティング会社EUPD Researchは、15kWpまでの小規模PVシステムが1.6GWを記録した2021年に続き、本年もこの分野で1.8GWの増加を予測しています。2022年は10~15kWpのシステムが特に伸びると予想され、5~10kWpの設置は引き続き停滞する見込みです。例年通り、ドイツの小規模太陽光発電セグメント関連は2022年も引き続き高まっています。2021年のドイツ国内のPVシステムの30%が15kWpまでの容量でしたが、2022年には36%に増加すると予想されています。

(出典元: Federal Network Agency / EUPD Research for The smarter E Europe 2022)

小規模太陽光発電市場の活況は、システム規模の拡大と密接に関係しており、10~15kWpの太陽光発電市場の成長に反映されています。各家庭の屋根に設置される太陽光発電設備の発電量が増加していることから、熱供給や移動手段の電化が進んでいることが分かります。最近の調査 (一戸建てと二世帯住宅の所有者500人を対象) で、太陽光発電の消費状況について聞き取り調査を行いました。その結果、約3分の2の家庭が、まず通常の電力消費をまかなう、あるいはまかなうことを目標としていることが分かりました。またインタビュー回答者のほぼ全員が、太陽光発電の消費またはその家庭での電力供給のための蓄電設備を必須とみなしています。アンケート対象者の3分の1が暖房に、4分の1が電気自動車に自家発電した太陽光発電を利用する予定であることがわかりました。

(出典元: EUPD Research for The smarter E Europe 2022)

電気自動車への移行における太陽光発電の重要性の高さは、太陽光発電システムの所有に対する投資計画と、電気自動車用の専用充電ステーションの所有の重要性の組み合わせに表れています。太陽光発電システムの所有者は、電気自動車用の充電ステーションを95%が「重要である」「非常に重要である」と考えています。また、太陽光発電システムをより積極的に導入しようとしている世帯では、充電ステーションをより重要視しており、それぞれ80% (2023年までに導入予定の家庭) と77% (2024年以降に導入予定の家庭) が「重要である」「非常に重要である」と考えております。一方、太陽光発電システムへの投資を予定していない世帯では、この割合は69%に減少しています。この結果から、太陽光発電システムの所有者や計画者は、自家発電した太陽光の利用に積極的に取り組んでおり、電動モビリティはこの自家発電の理想的な消費先と考えられていることが確認されました。

(出典元: EUPD Research for The smarter E Europe 2022)

「エネルギー価格が高騰する中、クリーンで安価な太陽光発電による自家消費は、住宅所有者にとってますます重要なものとなっています。太陽光発電システムへの投資は、電気自動車の購入を刺激しています。」と、EUPD ResearchのマネージングパートナーであるDr. Martin Ammonは述べています。

エネルギー供給事業者を対象としたエネルギーヴェンデ賞の受賞について

2022年5月12日に開催されるイノベーションプラットフォーム「The smarter E Europe」において、最も革新的なエネルギー供給事業者に、第6回「Energiewende Award」が授与される予定です。この賞は、DACH地域におけるEnergiewende (エネルギー転換) を促進・加速させる、非常に積極的なエネルギー供給事業者を対象としています。プロジェクトの発起人は、DCTI Deutsches CleanTech Institut (ドイツ・クリーンテック研究所)、The smarter E EuropeおよびEUPD Researchになります。今年の授賞式に先立ち、過去のエネルギウェンデ賞受賞者を招き、政治家の方々とエネルギー転換の機会や課題について話し合います。

エネルギーウェンデ賞に関する詳細は、www.energiewende-award.de。ご質問がある場合は、Saif Islam(電話: +49 (0) 228 97143-20 または islam[at]energiewende-award.de )までご連絡ください。

イノベーション・プラットフォーム「The smarter E Europe」についての詳細は、www.thesmartere.de をご覧ください。
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出典元: https://www.eupd-research.com/en/growing-small-scale-photovoltaic-market-strengthens-electric-mobility-expansion/

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